食事バランス
2012-11-20
食事バランスガイドとは何か、食事からみた生活習慣病の予防、食事療法などについて紹介。食事バランスを考えて、生活習慣病の予防につとめましょう!
まいにちを健康的な生活を送るために生活習慣病ガイドなど、さまざまな情報をご提供します。
食品標準成分表
日本食品標準成分表は「食品成分表」と呼ばれています。食べた料理や食品の栄養量がどのくらいの量かを調べるための資料で、食べたものの栄養量が計算できます。
日本食品標準成分表(食品成分表)は1950年に「日本食品標準成分表」として公表され、食品数や栄養素の項目を増やしながら改訂されてきました。
現在発表されている食品成分表は、2000年に改訂されたもので、18食品群に分類され食品数は1882品です。掲載されている栄養素、は32項目です。以下主な項目を解説します。
(1) 廃棄率および可食部 食品を食べるときに廃棄される部分を重量の割合(%)で示しています。可食部は廃棄部分を除いたもので、各成分値は、可食部1OOg当たりの数値で示しています。
(2) エネルギー 食品のエネルギー値は、kcal=「キロカロリー」で表示され、可食部1OOg当たりのたんぱく質、脂質および炭水化物の量(g)に各成分のエネルギー換~算係数をかけて算出しています。たんぱく質は1g=4kcal、脂質は1g=9kcal、炭水化物は1g=4kcalとして計算しています。
(3) 炭水化物 炭水化物は、可食部1OOgからたんぱく質、脂質、水分や灰分の合計値を引いた値で求められています。成分値には食物繊維も含まれており、別項目で食物繊維単独の数値も掲載されています。
(4) 灰分 食品を焼いた後に出る残りを灰分といいます。ほぼ無機質の量がこれにあたります。炭水化物の量を算出するのに必要です。
(5) 無機質(ミネラル) 掲載されている無機質(ミネラル)は、すべてヒトにおいて必須性が認められたもので、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などがあります。
(6) ビタミン 脂溶性ビタミンである、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKの4種類と、水溶性ビタミンである、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンBl2、葉酸、パントテン酸、ビタミンCの8種類が掲載されています。
(7) ナトリウムと食塩相当量 食塩相当量は、ナトリウム量に2.54をかけて算出した値になっています。
食事摂取基準の活用
エネルギー量の算出 エネルギー量を算出するときの指標となるのは、「推定エネルギー必要量」の1つだけです。まずは、この工ネルギー量を求めてみます。
【算出式】 推定エネルギー必要量=基礎代謝量×身体活動レベル
(1) 基礎代謝量 基礎代謝基準値×現在の体重(または標準体重)
(2) 身体活動レベル 日常生活の活動内容と活動時間で3つに分けられる。
例1) 55歳女性 体重60kg 身体活動レベル:低い
基礎代謝量:20.7×60=1242kcal 推定エネルギー:1242kcalx1.5O≒1863kcal
例2) 65歳男性体重70kg 身体活動レベル:ふつう
基礎代謝量:21.5×70=1505kcaI 推定エネルギー:1505kcalx1.75≒2634kcal
※身体活動レベル 3つのレベルに分類。 ・低い(1) 生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合 ・ふつう(2) 座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客など、あるいは通勤・買物・家事、軽いスポーツなどのいずれかを含む場合 ・高い(3) 移動や立位の多い仕事への従事者、あるいはスポーツなど余暇における活発な運動習慣をもっている場合 (出典)「日本人の食事摂取基準(2010年版)厚生労働省」
日本人の食事摂取基準
食事摂取基準とは、健康維持のための目安になるエネルギーおよび各栄養素の摂取量の基準を示していまれ食事摂取基準の活用法です。
日本人の食事摂取基準
食事摂取基準が策定された目的は、健康な人(集団)を対象として、健康の維持・増進をすることで、生活習慣病にならないようにするためです。
健康の維持増進とともに栄養素の過剰・欠乏症の予防を目的として、エネルギーについては1種類、栄養素については5種類の指標が設定されています。
(1) 推定エネルギー必要量(エネルギーの指標) エネルギーの出納(摂取量と消費量)が、ゼロとなる確率が高い量です。性別、年齢、体重、活動量によって異なります。
(2) 推定平均必要量(栄養素の指標) 50%の人が必要量を満たす摂取量で、50%の人が不足する可能性がある量です。この値を下回らないことが大切です。
(3) 推奨量(栄養素の指標) 97~98%の人が必要量を満たす摂取量。この値の付近に摂取することが理想的です。
(4) 目安量(栄養素の指標) 推奨量が設定できないとき、一定の栄養状態を維持すのに十分な量で、不足する可能性はほとんどないもの。
(5) 耐容上限量(栄養素の指標) 健康障害をもたらす危険がない摂取量の上限値。「できるだけ接近することを回避する」というニュアンスに近い。
(6) 目標量(栄養素の指標) 生活習慣病の一次予防を目的とした摂取量。
※推奨量と目安量 食事摂取基準の基本的な指標は、「推定平均必要量」と「推奨量」。「推奨量」を求めることができない栄養素には「目安量」が設定されています。したがって「推奨量」と「目安量」を同時に設定している栄養素ありません。
食事バランスについて
「食事バランスガイド」とは、生活習慣病の予防を目的とした、2000年に策定された「食生活指針」を具体的にわかりやすく実践するため、2005年に農林水産省と厚生労働省により作られました。これは、食料自給率の向上、食育の普及なども目的としています。
この食事バランスガイドは、1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいか、コマをイメージしたイラストで示したものです。バランスコマを活用して、適量で栄養素のバランスがとられているかを確認することができます。
【参考】にっぽんの食育推進 食事バランスガイドキャンペーン2007 http://nipponsyokuiku.net/2007bg/