がん
2012-06-29
がんとは何か、がんの症状・原因やがんを予防・改善する食事療法などについて紹介。がんにならないように生活習慣を見直しましょう!
まいにちを健康的な生活を送るために生活習慣病ガイドなど、さまざまな情報をご提供します。
がんの予防について
国立がんセンターの「日本人のがん予防」によると、禁煙、節度ある飲酒、食事バランス、減塩、野菜果物の摂取、加工肉、肥満、運動というキーワードが紹介されています。 たばこは、吸わない人でも受動喫煙に注意します。飲酒は1日あたり大ビン1本ないし日本酒1合程度に留めます。食塩の摂りすぎに注意し、野菜不足に陥らないよう食事のバランスを考えます。 また、日常生活を活動的に過ごし、体重を正常範囲内に維持するよう適度な運動を心掛けます。
(参考) 各がんの予防キーワード (1) 食道がん → 禁煙、適度な飲酒、野菜果物の摂取、熱い飲食物 (2) 胃がん → 野菜果物の摂取、加工品、塩分を控える、禁煙 (3) 大腸がん → 運動、野菜果物の摂取、適度な飲酒、適正体重維持 (4) 肝がん → 肝炎ウィルス感染防止、運動、適度な飲酒 (5) 肺がん → 禁煙、適度な飲酒、野菜果物の摂取 (6) 乳がん → 運動、適正体重維持、野菜果物の摂取、適度な飲酒、低脂肪食
がんの治療について
現在、がん治療には以下の4つの方法があります。
(1) 手術療法 がん部位を取り除く中心的な治療です。医療の進歩によって目覚ましい発展を遂げています。しかしながら、他の正常臓器や組織も多少の摘出がなされるため、本来の生体機能が失ってしまう可能性があります。また、がん部位が完全に取りきれない場合、がん転移の可能性が残され、再発リスクがあります。
(2) 化学療法 抗がん剤療法ともいわれ、抗がん剤によってがん細胞のDNAに障害を与え、がん細胞の増殖を抑制する働きをします。しかしながら、正常な細胞も攻撃するため、その影響で吐き気、食欲不振、うつ、脱毛などの強い副作用が出てしまう場合があります。さらには正常な細胞のDNAにも障害を与えてしまい、新たながんが起こるリスクがあります。
(3) 放射線療法 がん細胞に放射線を照射して、がん細胞のDNAを障害を与えて細胞を壊します。照射部にがんがあれば、確実にがんを障害させますが、照射部の皮膚障害、免疫機能の低下などの副作用があります。
(4) 免疫療法 がん患者は、がんに対する免疫か弱くなって、がんの増殖力に負けています。そのことは逆に、免疫力を上げることができれば、がんと勝えることを意味します。がん細胞を攻撃するリンパ球(免疫細胞)を増殖する方法などがあります。
がんを引き起こす原因
がんを引き起こす原因は、さまざま考えられますが、以下は主なものをです。
(1) 発がん性物質 発がん性物質として代表的なたばこには数十種類(ニコチンやタづレなど)の発がん性化学物質が含まれています。その発がん性化学物質によって、16種類のがんが関連しているといわれています(喉頭、食道、肺、胃など)。この発がん性物質は、同時に発がん促進物質でもあります。
(2) ウイルス、細菌、寄生虫など ウイルスや細菌などの持続感染が原因で発生するがんには、肝炎ウイルスによる肝がんやヘリコバクター・ピロリ菌による胃がん、ヒト・パピローマ・ウイルスによる子宮頸がんなどがあります。
(3) 放射線 X線や紫外線などの被曝により、DNAが傷つけられて、皮膚がん、白血病、乳がん、骨髄がんなどがあります。
(4) 飲酒 飲酒によってアルコールの分解代謝産物である発がん性アセドアルデヒドが産出されます。食道がんや胃がん、乳がんと関連しています。
(5) 運動不足 運動不足によって便秘になりやすく、糞便の腸内通過時間が長くなり、免疫低下が影響されます。大腸がんや肝臓がん、乳がんと関連しています。
(6) 肥満 脂肪細胞からエストロゲン(乳がん、子宮体がんに影響)が放出され、アディポネクチンの分泌減少が影響します。
がんの基本知識
日本人のがんの死亡率は、1981年(昭和56年)に脳血管疾患を抜いてトップとなり、その後も増加し続けています。 2008年(平成20年)の調査では、がんの中で肺がんが最も多く、次いで、胃、大腸の順になっています。 性別では、男性が肺、胃、大腸の順で、女性は大腸、肺、胃の順になっています。増加率では、胃がん以外はすべて増加しています。がんは、50歳を過ぎると増え始め、65~75歳が増加のピークなります。
発がんの仕組みと要因 正常な細胞が「発がん性物質」や加齢による免疫力低下などDNAを傷つけ「変異細胞」へと変化します。さらに「発がん促進物質」が細胞に入ってくると発がん性物質を助け、変異細胞ががん細胞になります。それがどこかに定着し、増殖してかたまると「がん」となります。
(1) 正常な細胞の遺伝子が発がん物質によって障害を受ける。 (2) 変異細胞が発がん促進物質によって、がん細胞になる。 (3) がん細胞は分裂過程で次第に増殖性、転移性を高めていく。 (4) 悪性度が高いがん細胞となり、周囲に転移し始める。